SHUZOくんの知恵袋

父が自殺すると、大家さんに損害賠償しなければいけないのでしょうか。

【質問】

私は40代の会社員です。母は既に亡くなっており、父は賃貸アパートで一人暮らしをしていました。先日、久しぶりに電話をすると、なかなか連絡がとれなかったので心配になってアパートに行くと、父は亡くなっていました。自殺と思われます。死後3ヶ月ほど経っていたようです。

その後、大家さんから相続人の私に損害賠償請求の通知が来ました。思ってたより高額でしたが、私はこの費用を払わないといけないのでしょうか。父が自殺ではなく病死だった場合はどうでしょうか。

【回答】

独居老人の孤独死は他人事ではなくなってきています。大家さんや子供とも3ヶ月位会わないということはそれほど珍しくないでしょう。

大家さんから損害賠償を請求されているということですが、その内訳によって支払うべき金額とそうでない金額があると思います。

考えられるのは、

①賃料

②原状回復費用

③その部屋を貸すことができなくなった損害

④隣室の借主が解約したことの損害

でしょう。

①借り主の死亡によって賃貸借契約が当然に終了するわけではないので、明け渡しまでの賃料は発生します。ですので、これについては支払わなければなりません。

②原状回復費用も支払わなければなりませんが、3ヶ月間も発見されなかったことによって、部屋全体のクリーニングや壁紙の全面張り替えをせざるをえない場合はありますので、意外と費用が多額になることがあります。

③自殺者が出た部屋というのはやはり新しい借り手は見つかりにくいものです。心理的瑕疵といいますが、実際、家賃を減額しなければ借り手が見つからないということは十分に考えられます。その場合は損害として認められると思われます。

④隣室の借り主が解約したことによって得られるはずの家賃収入を失ったと言われることもあると思います。これについては、争いがありますが、隣室の減収と自殺との因果関係が積極的に証明されれば、一部の損害賠償が認められると思われます。

お父様が病死だった場合でも、①及び②は変わらないように思います。一方、③及び④は借り主の責任とは言えず、貴方が損害を賠償する必要はないでしょう。

(弁護士堤悦朗)

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