SHUZOくんの知恵袋

父の死亡以降ビットコインが高騰していますが遺産分割に影響がありますか?

【質問】

先日父が亡くなりました。相続人は私と弟の2名です。弟と遺産分割協議をして、私が一旦父の遺産全部を引き継ぎ、遺産総額の50%の現金を弟に渡すことになりました。父は生前仮想通貨〈暗号資産〉の取引をやっていて、1ビットコインを保有していました。父が亡くなった日は1ビットコインが400万円だったのですが、現在は600万円となっています。また、今後どう増減するかわかりません。この場合、結局私は弟にいくら渡せばいいのでしょうか。

【回答】

そもそも論として、弟さんとの合意があればどのような分け方でも良いです。例えば、相続開始日が400万円ですので半分の200万円を渡すという合意もあるし、現在は600万円なら300万円ずつ分けるという合意も有りえます。とはいえ、お金を弟に渡した後にビットコインが高騰すれば弟さんは損をしたと思うでしょうし、逆に暴落したらあなたが損をすることになります。それを理解した上で合意しているのであればいいと思いますが、一番シンプルで公平なのは、ある特定の日に利益確定して現金化してそれを2人で分け合うことでしょう。

それでは、弟との話し合いが成立しない場合はどうなるのでしょうか。最終的には、家庭裁判所に遺産分割を申し立て裁判所の審判を仰ぐことになりますが、そもそも裁判所はビットコインについて判断してくれるのかという問題があります。

実は、ビットコインというのは、現金化するまでは債権にすぎません。この債権は分けることができるので可分債権と言いますが、これは、被相続人の死亡によって法律上当然に分割されて、相続人間で相続分に応じて権利を取得します。何をするまでもなく、あなたと弟さんが、半分ずつの権利をもつ、ということです。したがって、裁判所はなにも判断してくれません。

たしかに預金債権については、最近(平成28年12月)最高裁判所の判例が変更され、遺産分割の対象となったのですが、それは預貯金制度の整備が十分に整っているからというのが主な理由ですので、ビットコインなどの暗号資産については、やはり現時点では、遺産分割の対象とならないと考えていいと思います。

もちろん、今後の法やシステムの整備状況によって変わることはあるかもしれません。仮に遺産分割の対象となった場合は、審判日のビットコイン相場価格で分け合うということになるでしょう。

(弁護士堤悦朗)

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