SHUZOくんの知恵袋

兄が世話していた亡き父の預金残高があまりにも少ない気がします。

【質問】

私は40代会社員です。先日父が亡くなりました。父は生前ある会社の役員をして比較的高い収入を得ていました。引退後は認知症となり私の兄家族が父と同居して世話をしてくれていました。この度兄が父の預金通帳を見せてきました。残高は100万円でした。50万円を渡すので遺産分割協議書に署名捺印してほしいとのことでした。父の生前の収入状況を考えると少なすぎないかと訊きましたら、兄が言うには、父が自由に使ったとのことでした。兄の言うことを信じるしかないのでしょうか。なお、父の遺言はありません。

【回答】

そうですね、お兄さんの言うことは本当なのかもしれません。他の金融商品に転化している可能性もありますし、療養費用にお金がかかったということもありえますね。ただ、お父様の収入が多かったことや認知症を患っていたことを考えると預金残高はもう少し多くても良さそうな気もしますね。同居していたお兄さんが一部領得している可能性を捨てきれないというのも理解できます。

そういう場合には、まずはお兄さんに、お父様の歴代の預金通帳の写しをくださいとお願いすると良いでしょう。そしてそれを受け取ったらお金の動きを確認すれば良いと思います。

一方で、お兄さんから要領を得た回答が得られない場合は、当該金融機関に取引履歴の照会をかけることができます。あなたは相続人ですので、他の相続人の同意なく単独でお父様の口座の取引履歴を取り寄せることができるということです。

多くの金融機関では、10年間の取引履歴を開示してくれます。これを見れば、例えば、定期的にお兄さんの口座にお金が移っていたり、ある日突然多額の引き出しがあったりすることがわかります。これらについてお兄さんに説明を求め、納得ができれば遺産分割協議を成立させればいいし、納得ができなければ家庭裁判所に遺産分割調停の申立をするのがいいでしょう。「特別受益」の話にもなりえますので、具体的には弁護士さんに相談するのがよいと思います。

(弁護士 堤悦朗)

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