保険の見直しをしたいのですが、そもそも保険に入る必要はありますか?
【質問】
私は40代会社員です。妻とは共働きで、小学生の子供が一人います。マンションを購入し住宅ローンを抱えています。また、主に通勤のために自動車を運転しています。最近、保険会社の営業の人から、保険の見直しをしましょうということで色々な提案を受けているのですが、老後資金の確保のために、そもそも、保険に加入する必要があるのかから考えたいと思うようになりました。
【回答】
自分が過去に加入した保険が適切かどうかは、家族構成や資産状況や生活スタイルの変化によって変わるので、定期的に見直しをするのはいいことだと思います。もっとも、保険会社はできるだけ保険料を支払ってほしいという立場ですから、彼らの言うことを鵜呑みにするのではなく、一旦立ち止まって自分の頭で考えてみましょう。
一般論として、日本の公的保険はとても充実しています。特にあなたは会社員ですので、健康保険や雇用保険などメリットが大きいです。ですので、民間の保険に加入する必要があるものだけ加入しましょう。
簡単に言うと、発生する確率は低いが生じる損失は大きいリスク、に対して保険で備えましょう(高確率大損失のリスクに対しては保険は無意味です)。
奥様も収入があるとのことですが、お子さんがまだ小さいので、生命保険には入った方がいいでしょう。ただし、住宅ローンに団体信用保険をつけているのであればそれほど高い保証は必要なく、掛け捨ての死亡保険のみでいいと思います。また、家と車がありますので、火災保険と対物対人無制限の自動車保険は入っておきましょう。
逆に言うとこれ以外の民間保険には入る必要はなく、その分の保険料は貯蓄に回しましょう。公的保険と貯蓄で十分対応できるだろうと思います。
ちなみに学資保険は入っても入らなくてもいいですが、いわゆる「ドアノック商品」といって、保険会社にとっては他の保険契約につなげる商品となっていることは念頭に入れておいた方がいいかもしれません。
(弁護士堤悦朗)